この前たまたま深夜に観たドキュメンタリーが素晴らしかったので、ご紹介します( ˘ω˘)b
「すべての子どもに学ぶ場を~ある中学校と外国人生徒の歳月~」っていう月間ギャラクシー賞も受賞した、NHKのドキュメンタリーです。
私のように海外在住者は【セカイVPN】を使うと、↑のNHKオンデマンドも視聴可能です。

あらすじ
舞台は岐阜県可児市立蘇南中学校。
可児市は工業地帯で出稼ぎ労働者の外国人が多く住む場所であり、蘇南中の生徒の10%は外国籍。
この中学校が外国人生徒に対する具体的な教育を取り始めたのは20年前で、14年間この中学校では不就学児0らしい。
蘇南中では外国人生徒は、来日してから数カ月は「国際教室」で他の生徒とは別に国語・数学・英語を学びます。
この国際教室では、スペイン語やタガログ語などの通訳の方が常駐していて(番組内では3人もいた!)日本語で分からない箇所があると、生徒はその通訳の方に質問出来ます。
このように外国人生徒に対して特別な施策を取っていますが、番組のなかでも学校を辞めたいと相談している生徒もいて(外国籍の生徒の退学を法的に引き止めることは出来ないらしい)、なかなか一筋縄ではいきません。
生徒が学校に来ないので、自宅訪問してみると親戚の子供の子守のために学校に行けなかったと話す女子生徒。
そもそも、可児市が外国人生徒の教育に取り組むようになったのは、一人の大学院生の行動でした。
当時大学院生だった女性が市と校長に掛け合い、日本初で外国籍の不就学調査が行われました。
行内で暴れ、真面目勉強したい日本人生徒の邪魔になっていた外国人生徒に校長先生は頭を抱えていたようです。
校長先生は現実を知らず理想ばかりを掲げる大学院生を最初は疎ましく思っていましたが、ある日ブラジル人卒業生の不良に言われた言葉で決心したんですね。
彼は校門で女生徒にちょっかい出していたらしく、いつものように追い払おうとしたら「先生、俺に勉強教えてよ」と言われ、そこで初めて日本語を十分に教えぬまま卒業させてしまったと後悔から、外国籍の不就学調査を可児市に提出したところ教育委員会が動いて、専用施設を開設したりと大きな変化をもたらしました。
現在可児市は外国人生徒の教育に8000万円を投じています。
「きちんと日本語教育をすれば、育った街で仕事をして、将来納税者になるから、外国人生徒への教育は決して無駄ではない。」と現在教育学者?になった元大学院生の女性が言っていたのが印象的でした。
現在では可児市の取り組みの成果が出つつあり、「先生、俺に勉強教えてよ」と言った男性はいまでは解体屋の社長で、自分のような境遇の日系ブラジル人達を束ねている、立派な納税者です。
中学時代はいじめられ荒れていた彼ですが、もう祖国ブラジルに帰る意思はなく、可児市で生きていくことを決めたとのことです。
そんな順調だった蘇南中でしたが、新型コロナウイルスの危機が襲います。
外国人生徒の両親の雇止めで、せっかく合格した高校の制服の購入資金がなく、進学を諦めるという相談が入りました。
最終的には奨学金等を使い無事に進学出来たようですが、泣きながら進学を諦める少女には胸が苦しくなりました。。。
2020年の蘇南中の外国人生徒は53名だったそうなんですが、そのほとんどが高校へ進学したそうです!
「今年は初めて全員に卒業証書を手渡しすることが出来た」と喜んでいた外国人生徒担当の先生が印象的でした。(毎年卒業式を欠席する?or中学をドロップアウトしてしまう生徒がいる?)
感想
私のは普通の田舎の中学で育ったもんで、恥ずかしながら日本に住む外国籍の生徒の就学について考えたことがなかったです。
この番組に出てくる人がみんな公務員とかボランティアなのに、ここまで真剣に取り組んでいることに感銘を受けました。
昨年初めて全国で不就学児の調査が行われましたが、具体的な施策はなされていないようです。
2019年4月には、深刻な人材不足に対応するため、入国管理法を改正して外国人労働者の受け入れを拡大しました。
これから日本は確実に外国人が増えます、そして外国人の子供も増えます。
この可児市の『海外の子ども誰一人取りこぼさない教育』モデルが、どんどん全国に広がっていくことを願います。
今後私はアメリカで一生過ごす予定です。
私の場合旦那がアメリカ人なので、私達の子供はアメリカで生まれアメリカで育つ日米ハーフとなるので、この番組の生徒たちと全く同じわけではないですが、外国に住む身として前のめりになってみてしまいました。
私が外国人であることや英語が不自由なことで、子供に不都合が出ないように親として努力します。
\\ タメになる海外在住者のブログが集まってます //
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